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【本の感想】世界で最もクリエイティブな国 デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方

世界で最もクリエイティブな国 デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方

 

評価 ☆☆☆☆

 

この本は、世界で最もクリエイティブな国の一つであると称されるデンマークを事例にして、クリエイティビティを多面的に分析した本です。本書は個人がクリエイティビティを発揮する方法も書かれてあると同時に、企業などの組織がクリエイティビティを発揮する方法およびそのマネジメントについても述べてあり、さらには一見クリエイティビティとは縁のなさそうな法律事務所が、クリエイティブなビジネス(主にソリューションビジネス)を始めたエピソードを紹介したりなど、幅広いです。

 

デンマークってどんな国?

僕は残念ながら、デンマークという国がどういった産業が有名なのかあまり知りません。ただ、唯一知っているデンマーク出身の有名なものは、「レゴ」というブロックです。レゴは幼いころから遊んでいましたが、大人になってから、最近「レゴ」の人気がさらに上がっていると感じています。現在は、レゴは世界ブランドランキングで上位100位にも入るなど、世界的なブランドにまで成長しています。

 

この本でも「レゴ」の取り組みについて取り上げられており、レゴがどのように商品開発をしているのかを知ることができました。

 

クリエエイティビティとは?

ちなみに、この本ではクリエイティビティというものをはっきり定義しています。

 

「クリエイティビティというのは既存の枠の外でものごとを考えるのではなく、既存の枠のぎりぎりのところで考え、活動することにかかわる能力である。」

 

既存の枠のぎりぎりで考えるというのはどういうことなのでしょうか。それは本書を読めばわかってくると思いますが、あえてくだけた表現をすれば、「常識」と「非常識」が接する部分で物事を考える、といってもいいかもしれないです。

 

例として、刑事ドラマを取り上げましょう。

本書では探偵ものや刑事ものドラマがなぜ人気があるのかというと、それは実は犯罪を犯す精神的におかしい人を、多くの人が見たいためであると述べています。つまり、刑事ドラマというよりは犯罪ドラマを視聴者は見たいのです。しかし、それでは批判が生まれるし、そもそもそのドラマを見ている人も倫理的に疑問を感じやすいはずなのです。そこで、(誰が始めたのかは知らないけど)犯罪ドラマではなく、刑事ドラマとして番組を作れば批判は生まれにくいし視聴者も安心してみることができると考えだしたようなのです。これは、犯罪ドラマという「非常識」をいかに「常識」と接することができたのかという例だと思います。

 

本書では、このクリエイティビティの定義を明確にしたうえで、さまざまなデンマーク人とインタビューすることで、クリエイティブの意味を多面的に知ることができるでしょう。ただ、問題はそのインタビューに登場するデンマーク人です。おそらくデンマーク国内なら、一度は聞いたことのある有名人なんでしょうけど、日本人の僕にはレゴ以外にはあまり知っているものがなく、「あ。初めまして。」と思いながら読んでいたので、そこがちょっと苦痛だった気がします。

 

ただ、インタビューやインタビューから得られた分析は参考になると思いました。この本の面白いところは、マリファナなどのドラッグがどれほどクリエイティビティに影響するかというところまで分析しようとしたところです。つまり、クリエイティビティの負の部分にも目を背けずに分析をしてみたのです。

 

参考になるといっても、実は本書に書いてあることの中には、最新の研究から引用したものがあり、「これは知らなかった」と思わせるものがあるものの、中には「これどっかで聞いたことあるね」と思うものもあります。例えば、「クリエイティブになるには様々な知識が必要だ」といったものです。

 

しかし、なぜそれでも参考になるのかというと、やはりインタビューによるリアルなエピソードのおかげだと思うのです。様々な知識といっても、クリエイティブになるにはどんな知識がどれほど要求され、クリエイティブな人はどれほど吸収しようとしているのかはなかなかイメージできないのではないでしょうか。本書ではインタビューのおかげでそのイメージがつかみやすいのです。だから、参考になると思うのです。

 

この本はどちらかというとビジネス書なんでしょうけど、何かクリエイティブな職に就きたい人にも参考になると思います。また、漠然とクリエイティブになりたいと考えているだけの人にも、クリエイティブというものがどういったものなのかがかなり具体的に見えると思います。

 

あと、この本には数々のインタビューを通して、クリエイティブな人にありがちな特徴をいくつか掲載されていました。僕も一応ネットにネタを書いたりしているし、まぁまぁクリエイティブな部分があるとは思うのですが、その特徴に結構当てはまっていると感じました。

 

終わり 

総合評価としては、星4つくらいにしときます。やっぱり「あ。はじめまして。」の連続があったからです。(笑) これが鳥山明とか宮崎駿とかのインタビューなら面白かったのでしょうね。しかし、それでも一度は読んでみる価値はあると思いますよ。

 

アマゾンでも評価は高いようですね。

 

世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方

世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方

  • 作者: クリスチャン・ステーディル,リーネ・タンゴー,関根光宏,山田美明
  • 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
  • 発売日: 2014/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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