お笑いから企画まで学べるアイデア本
評価:☆☆☆☆☆
本のタイトルだけ見ると、お笑いセンスをアップする方法論が書かれてあるように見えますが、中身の趣旨は少し違っています。どちらかというと、お笑いの発想の仕方を応用して、ビジネスの企画などのアイデアを出す方法を書いたものです。
特に、「大喜利」などのお笑いを作る際の発想術をビジネスに応用する方法を紹介しています。だから、ビジネスに役立つアイデア術の本というべきでしょう。(もちろん、お笑いのテクニックもこの本には書かれています。)
実際、お笑いセンスとビジネス企画には、密接な関係があります。現に、芸能人には本業のお笑い活動以外にも副業に手を出す人がいますが、成功例が非常に多いです。
例えば、ビートたけしは今では映画監督として世界で通用するレベルまで成功していますし、ピース又吉は小説で芥川賞を受賞。劇団ひとりは、構成作家の仕事もしていますし、彼の小説も結構評価が高いようです。たむらけんじは焼き肉屋を経営して成功しました。島田紳助は複数の店を経営しています。
ミュージシャンや俳優がこれほどまでに副業で成功した話はあまり聞きません。
なぜ彼らは、これほどまでに副業で成功できるのでしょうか? やはり彼らは企画力が高いからだと思うのです。実際、あなたの周りのできるビジネスマンにはお笑いセンスの高い人っていると思います。総合商社などの一流企業で働くできる人って面白い人が多いですよね?
この本では、まずお笑いの発想の仕方とお笑いセンスを磨く方法を紹介した後、それをビジネス企画にも応用する方法が書かれています。
面白い人は常識力がある
本の内容を少しだけ紹介たいと思います。
お笑いセンスで大事なことは実は「常識を知ること」です。
芸人さんは常識を知っているからこそ、常識を破った芸で笑いを取ることができるのです。「常識を破る」というのは、常識を知ってからでないとできません。
と本書には書かれています。
例えば、「あだ名が「課長」の小学生。彼の学校生活の不満とは?」というお題に対して面白い回答をするには、
サラリーマンの常識と小学生の常識を共に知っておかないといけないのです。
と書かれています。
筆者は、企画力もこの「常識力」が関係していると言っています。この本には企画をする際の「常識力」の使い方も紹介しています。
本の全体的な感想
この本は、平易な文章で読みやすいにもかかわらず、ビジネスに役立つ企画の発想の仕方をお笑いの視点から述べています。ビートたけしや又吉などの芸人さんの高い企画力の秘密を知ることができるでしょう。よって、良書と言えると思いますので星5とします。
ただし、本にも書かれているのですが、こういう本は「行動」してこそ真の価値が発揮されるので、そのことは忘れないでくださいね。
この本のおすすめな人は
アイデアマンになりたい人
ビジネスの企画ができるようになりたい人
芥川賞が欲しい人